みつけてくれてありがとう

この世界の片隅に」を観てきた

周りの人が「よかった」とか「観たほうがいい」とか言ってくるので、
戦争映画なのになんでそうなるんだろう…というのを考えながら最後まで観て、
でも私はやっぱりこの映画「よかったよ」とか「観たほうがいいよ」とか
人には言わないだろうなというのは変わらなかったな

シンゴジラもそうだったけど、自分の大切な人や街が災害や戦争でなくなってしまう、
そういうのを見ていると、そこに生きている人たちの小さなエピソードから得るものよりも、
日常が得体の知れない何か大きな力に潰されてしまう、
それでたくさんの誰かの大切な何かがなくなってしまう、そういうことから生まれる悲しみで、
わたしはめちゃくちゃつらくなってしまう人間なんだなと感じた

ストーリーに対して何も思わなかったわけではなくて、
心から愛する人と一緒にいられることがどれだけ幸せかとか、
姪は自分のせいで亡くなってしまったと自分のことを責めながらも
すずさんは生活を続けることを選べたのはどうしてかとか、すごいなあとか、
少しだけファンタジックな部分があるのはなんでだろうとか、ああそうかとか、
なんかそういう気持ちをたくさんずっしりと抱えたまま泣きながらエンドロールを眺めていたら
それも終わってしまって、テアトルで観てたんだけど、外に出たらいつも通りの新宿で、
人が多くて騒がしくてきれいで汚くて、ただただ静かなところでひとりになりたくて、
だけどそのたくさんの気持ちたちをひとりで抱えたまま家に帰りたくなくて、
いつも通らない道をポケモンGOしながら、アレキサンドロス聴きながら、
同居人とLINEで今どこ?なんてやりとりしながら、しばらく歩いてたら、
やっと現実の世界に、歩いている自分の身体に、心が帰ってきて、
もうすぐ閉店してしまうのでセールしているブックオフに入り、
コミックの棚を端から端まで眺めて、アイアムアヒーローを立ち読みして帰宅して、
「観たほうがいい」と言ってきた人に観たよと報告し、感想をやりとりし、
そうだブログを書いておこうと思い立ち、PCを開いたのがいまでした

没入感とはまた違うんだろうけど、あまりに普通の日常を生きている主人公にの生活に、
気持ちが入り込んでしまったのかな、だからこんなにも、
映画館を出た時の景色や空気に、違和感があったのかなと、いま思った ちがうかもしれないけど

あと、コトリンゴさんの音楽がめちゃくちゃよかった 買うかもしれない

恋人と観たいねぇって話をしていたんだけど結局ひとりで観てよかった
恋人と観るのも全然いいと思うけど、
一緒に観ることで、作中の恋愛感情にかたむける自分の気持ちの比重が重くなって、
たぶん映画館を出た後に帰りたくなくなってしまうんじゃないかなと思う
一緒にいられてしあわせだなと思う一方で、なんかある種の虚しさとかを感じてしまうような気がした